2026/07/16
賃貸経営
名古屋の空室対策|家賃を下げる前に見直すべき5つの改善ポイントと管理会社の重要性

名古屋の空室対策|家賃を下げる前に確認したい改善策と、管理会社の選び方
目次
名古屋の賃貸市場で空室が長期化する理由
名古屋市内で賃貸物件を保有されているオーナー様から、空室対策のご相談をいただく機会が増えています。
「同じような立地の物件がすぐ決まっているのに、うちだけ半年空いている」という内容が最も多いご相談です。
賃貸住宅の空室状況については、総務省統計局の住宅・土地統計調査で公表されています。
ご自身の物件があるエリアの数値は、同調査でご確認いただけます。
ただし、統計上の空室率と、個別の物件が決まるかどうかは別の話です。
空室率が高いエリアでも決まる物件はありますし、低いエリアでも長期化する物件はあります。
差が生まれる原因は、おおむね次の3つに集約されます。
- 募集条件が周辺と噛み合っていない:家賃だけでなく、敷金・礼金・初期費用の総額、フリーレントの有無、入居条件(ペット、二人入居、外国籍の方の可否)を含めた条件全体の話です
- 募集情報が届いていない:掲載されているポータルサイト、写真の点数と質、仲介会社が案内しやすい状態になっているか。内見に至る前の段階で候補から外れているケースがあります
- 物件そのものの競争力:同じ家賃帯の競合物件と並べたとき、設備や内装で見劣りしていないか。とくに水回りとインターネット環境は判断されやすい部分です
この3つのうち、どこに原因があるかで打つべき手はまったく変わります。
逆に言えば、原因の切り分けをしないまま家賃を下げると、原因が残ったまま収入だけが減ります。
オーナー様ご自身で判断するのが難しい場面
はじめにお伝えしておきたいのですが、自主管理そのものに問題があるわけではありません。
ご自身で募集から入居者対応まで回されて、安定した経営をされているオーナー様は多くいらっしゃいます。
ただ、空室が長期化したときの原因分析については、情報が集まりにくいという構造的な制約があります。
具体的には、次の5つの場面です。
1. 家賃の適正水準が判断しにくい
空室が3ヶ月続くと、家賃設定を疑いたくなります。
ただ、ポータルサイトで見えるのは「募集中の家賃」であって、「実際に成約した家賃」ではありません。
募集中の物件は、決まっていない物件です。
それを基準に自分の家賃を決めると、判断がずれる可能性があります。
また、一度下げた家賃を次の募集で戻すのは容易ではありません。
月3,000円の値下げでも、年間36,000円、4年で144,000円の減収です。
下げる前に、他に打てる手がないかを確認する価値はあります。
2. なぜ決まらないのかの情報が入ってこない
内見はあるのに決まらない場合、見送りの理由を知ることが最も重要です。
しかしその情報は、案内した仲介会社の担当者が持っています。
「収納が思ったより少ないと言われた」「コンロが一口なのを気にされていた」といった具体的な指摘は、聞かなければ分かりません。
ポータルサイトの閲覧数からは、この理由は読み取れません。
3. 仲介会社に案内してもらう順番
仲介会社の担当者は、多数の物件を扱っています。
そのなかで、鍵の受け渡し方法が分かりにくい物件、内見可能な時間が不明な物件は、後回しになりやすくなります。
これは担当者の姿勢の問題ではなく、案内しやすさの問題です。
ご自身で複数の仲介会社と継続的にやり取りするのは、本業がある状態では負担が大きくなります。
4. 募集時期の判断
賃貸の問い合わせ数には、季節による波があります。
1月から3月にかけては新生活に向けた動きがあり、問い合わせが増える時期です。
一方、夏場は比較的落ち着きます。
退去のタイミングによっては、原状回復を急いで閑散期に募集するより、工事内容を見直して繁忙期に合わせるほうが有利な場合があります。
この判断には、そのエリアで実際に問い合わせがどう動いたかの記録が要ります。
5. 改修すべきかどうかの見立て
内装や設備に手を入れるべきか。
入れるとしたら、どこまでやれば家賃を維持できるのか。
この判断には、工事費の見積もりと、改修後に決まる見込みの両方が必要です。
片方だけでは、投資判断になりません。
空室改善で「経験値」が効いてくる理由
賃貸 空室改善において、手法そのものはほぼ公開されています。
フリーレント、初期費用の見直し、設備の追加、部分リフォーム、ターゲット層の変更。
どれも特別なものではありません。
差が出るのは、「この物件では、どれを、どの順番でやるか」という判断のほうです。
そして、この判断の精度を上げるのは、経験そのものではなく手元にある情報の量です。
周辺で今いくらの物件が募集されているか。
内見した人が何を理由に見送ったか。
その設備を入れた物件が、実際にどう決まったか。
こうした情報を継続的に集めている状態であれば、判断の材料が揃います。
管理会社に委託すれば必ず満室になる、ということはありません。
空室の改善には、家賃設定、募集条件、設備投資、リフォームの範囲、管理体制、仲介会社との連携といった複数の要素が関わります。
そのうえ、エリアの需要そのものが弱ければ、どれだけ手を尽くしても限界があります。
管理会社にできるのは、原因を切り分け、改善策の選択肢と費用対効果をお示しすることまでです。
「委託すれば解決します」という説明をする会社があれば、その根拠を確認されることをお勧めします。
以下では、名古屋 賃貸管理会社が実際に持っている判断材料を5つに分けて説明します。
委託を検討される際の、比較の観点としてお読みください。
判断材料1:周辺の募集物件を継続的に見ていること
地域密着型の管理会社は、担当エリアの募集物件を日常的に見ています。
自社が管理する物件の内見に立ち会い、他社の物件を調べ、新規の募集情報を確認する。
この積み重ねが、相場の感覚をつくります。
重要なのは、見ている件数そのものではありません。
同じエリアを継続して見ていることです。
3ヶ月前に8万円で募集されていた物件が、今も残っているのか、それとも7万5,000円に下がって決まったのか。
この経過を追えていれば、「この価格帯は反応が鈍い」という判断ができます。
一時点のスナップショットからは、この情報は得られません。
相場感が判断に与える影響
相場の感覚があると、家賃設定以外の判断も変わります。
フリーレントを付けるか、敷金・礼金を調整するか、設備を追加するか。
いずれも「この価格帯の物件で、他社がどうしているか」が分かっていないと決められません。
たとえば、周辺の競合が軒並みインターネット無料を導入している状況で、自分の物件だけ導入していなければ、家賃を下げても比較で負けます。
この場合、下げるべきは家賃ではなく、埋めるべきは設備の差です。
判断材料2:仲介会社との日常的なやり取り
入居希望者の多くは、仲介会社の窓口を経由します。
したがって、仲介会社の担当者に案内してもらえる状態をつくることが、募集の前提になります。
ここで効いてくるのが、日常的なやり取りの有無です。
- 見送りの理由:内見後に決まらなかった場合、何が理由だったか。これが改善の出発点になります
- 問い合わせの傾向:どの条件で検索している人が多いか。ペット可、二人入居可といった条件の需要
- 案内しにくい点:鍵の扱い、内見可能時間、申込の手順。担当者側から見た不便が分かります
- 他社物件の動き:競合がどの条件で決まったか。成約情報は公開されていないため、ここでしか得られません
会社の規模や提携社数より、担当者に率直な意見を聞ける関係があるかのほうが実務では重要です。
「なぜ決まらないと思いますか」と聞いて、具体的な答えが返ってくるかどうか。
ここが改善のスピードを左右します。
判断材料3:入居者から直接得られる声
管理を受託していると、入居者からの連絡が日常的に入ります。
設備の不具合、共用部の要望、更新時のご相談。
この内容には、募集条件を考えるうえでの材料が含まれています。
たとえば「宅配ボックスがあれば」という声が複数の物件で出ていれば、そのエリアでは需要があると判断できます。
退去時の理由も同様です。
「収納が足りなかった」「駐輪場が狭かった」といった理由が繰り返し出ていれば、次の募集前に手を打てます。
入居者の声は、募集の現場からは見えません。
管理と募集の両方を行っているからこそ、集まる情報です。
判断材料4:家賃相場を更新し続けていること
家賃相場は、固定されたものではありません。
近隣に新築が竣工すれば、その周辺の相場は動きます。
企業の事業所が移転すれば、需要の層が変わります。
この変化を追えているかどうかで、家賃設定の精度が変わります。
| 確認したい項目 | 情報源として使えるもの | 把握していると何ができるか |
|---|---|---|
| 周辺の募集家賃 | ポータルサイト、仲介会社からの情報 | 自分の物件がどの価格帯で比較されているかが分かる |
| 実際に決まった条件 | 仲介会社とのやり取り、自社の管理物件の実績 | 募集価格ではなく成約水準で判断できる |
| 周辺の新築・大規模改修 | 建築計画のお知らせ、現地の状況 | 供給が増える時期を見越して募集時期を調整できる |
| 設備水準の変化 | 競合物件の募集条件 | インターネット無料など、標準化した設備の有無を確認できる |
| 問い合わせの季節変動 | 自社管理物件の反響記録 | 繁忙期に合わせて工事と募集の工程を組める |
この表で申し上げたいのは、情報源はいずれも特別なものではないということです。
オーナー様ご自身でも集められます。
差が出るのは、継続して集め続けられるかどうかです。
判断材料5:改修の費用と効果を見積もれること
ここが、当社が最も重視している部分です。
空室が続いている物件について、募集の方法を変えるだけで解決することもあります。
一方で、物件そのものに手を入れなければ改善しないケースもあります。
後者の場合、必要なのは「工事にいくらかかり、その結果いくらの家賃が見込めるか」という試算です。
ここで問題になるのが、判断までの時間です。
仲介会社から「水回りの古さで見送られた」と聞いたとします。
外部の工事会社に見積もりを依頼すると、現地調査から見積提出まで数日から一週間かかります。
その間、募集は止まったままです。
そのため、内見での指摘を受けた際に、その場で工事の範囲と概算費用をお伝えできます。
「クロスの張り替えだけで済むのか」「洗面台の交換まで必要か」「その場合いくらで、何日かかるか」。
このやり取りが、聞いた週のうちに完結します。
また、工事後の家賃をいくらに設定できるかも、あわせてご提案します。
工事費だけ、家賃だけを単独で見ても投資判断にならないためです。
ただし、これは当社が優れているという話ではありません。
管理と施工を分けている会社にも、それぞれの利点があります。相見積もりを取りやすいのは、分けている場合の明確な強みです。
お伝えしたいのは、「募集の工夫」と「物件の改善」は分けて考えるものではないということです。
募集条件を整えても物件が競合に劣っていれば決まりませんし、物件が良くても情報が届かなければ内見に至りません。
両方を同じ視点で見られる体制かどうかが、名古屋 空室対策を考えるうえでの確認点になります。
家賃を下げる前に検討したい改善策
空室が続いたとき、最も手軽に見えるのが家賃の値下げです。
ただ、これは最後に検討する選択肢だと考えています。
理由は2つあります。
ひとつは、下げた家賃が次の募集でも基準になること。
もうひとつは、値下げでは原因が特定できないまま入居が決まってしまうことです。
次の退去時に、同じ問題が繰り返されます。
家賃6万8,000円の物件を、6万5,000円に下げたとします。
差額は月3,000円です。
・年間の減収:36,000円
・4年入居した場合:144,000円
・この水準が次の募集でも基準になれば、影響はさらに続きます
一方、144,000円という金額で何ができるか。
・エアコンの交換:おおむね8万〜15万円
・洗面化粧台の交換:おおむね8万〜15万円
・温水洗浄便座の設置:おおむね3万〜6万円
・アクセントクロスを含む全室クロス張り替え:おおむね5万〜10万円(単身向けの目安)
・宅配ボックスの設置:おおむね10万〜25万円(設置場所と型による)
値下げは毎年続く減収ですが、設備投資は一度きりの支出です。
そして設備は、次の入居者にも訴求できます。
ただし、これは「設備を入れれば必ず決まる」という話ではありません。周辺の競合と比べて何が不足しているかを確認したうえで、優先順位をつける必要があります。
値下げの前に確認したい5つの手
- 1. 掲載情報の見直し(費用ほぼゼロ):写真の点数を増やす、明るい時間帯に撮り直す、収納の内部や設備の型番が分かる写真を追加する。間取り図に採寸を入れる。まずここから着手する価値があります
- 2. 募集条件の調整(費用は限定的):礼金をゼロにする、フリーレントを1ヶ月付ける、初期費用の総額を見直す。家賃を下げずに、入居時の負担だけを軽くする方法です。フリーレント1ヶ月は、実質的には1年で見れば家賃を8%下げたのと同等ですが、表示家賃は維持できます
- 3. 入居条件の緩和(費用ゼロ):二人入居可、ペット可、外国籍の方の受け入れ、事務所利用可。条件をひとつ広げるだけで、検索にかかる対象が変わります。ペット可の場合は、原状回復の取り決めを契約に盛り込んでおく必要があります
- 4. 設備の追加(数万円〜数十万円):インターネット無料、温水洗浄便座、モニター付きインターホン、宅配ボックス、独立洗面台。どれを優先するかは、周辺の競合が何を備えているかで決まります
- 5. 部分リフォーム(十数万円〜):クロスと床の張り替え、水栓や照明の交換、建具の補修。内見で指摘されている箇所に絞れば、全面改修より費用を抑えられます
この1から5を検討したうえで、それでも反応が変わらない場合に、家賃の見直しに進みます。
順番を逆にすると、下げた家賃が固定されたまま、原因も残ります。
管理会社選びで確認したいポイント
名古屋 賃貸管理会社を比較される際、確認していただきたい点を挙げます。
当社を選んでいただくためではなく、比較の観点としてお使いください。
1. 「なぜ決まらないと思いますか」への答え方
現在の募集資料をお見せして、この質問をしてみてください。
「家賃を下げましょう」という答えしか返ってこない場合、原因の分析をしていない可能性があります。
写真、条件、設備、競合との比較。
複数の観点から具体的な指摘が出てくるかどうかが判断材料になります。
2. 見送りの理由をどう集めているか
内見後に決まらなかった理由を、どのように把握しているか。
仲介会社の担当者に直接聞いているのか、それともポータルサイトの数値だけを見ているのか。
この違いは、改善のスピードに直結します。
3. 改修の提案に費用と効果の両方があるか
「リフォームしましょう」という提案に、工事費の内訳と、改修後の想定家賃の両方が付いているか。
片方だけでは投資判断ができません。
また、「その工事をしなかった場合どうなるか」も併せて説明できる会社であれば、提案の妥当性を判断しやすくなります。
4. 管理業務の範囲と費用
管理委託料の料率だけでなく、含まれる業務の範囲を契約書の別表でご確認ください。
工事の手配料の有無、客付け時の費用負担、緊急時の対応体制。
料率が同じでも、範囲が違えば実質的な費用は変わります。
5. 登録と体制
管理受託戸数が200戸以上の管理業者には、賃貸住宅管理業法に基づく国土交通大臣の登録が義務付けられています。
登録業者には、契約前の重要事項説明が求められます。
この説明の場で、上記の項目をご確認いただくのが確実です。
まとめ:空室改善は複数の要素の組み合わせ
空室対策という言葉で検索されるオーナー様は多くいらっしゃいます。
しかし、単独で効く「方法」があるわけではありません。
改善に必要なのは、原因の切り分けと優先順位
空室が長期化する原因は、募集条件、募集情報の届き方、物件そのものの競争力の3つに分けられます。
どこに原因があるかで、打つべき手はまったく変わります。
家賃の値下げは、この切り分けをしないまま結果だけを変える方法です。
入居は決まるかもしれませんが、原因は残ります。
まず確認していただきたいのは、次の3点です。
ひとつ目は、内見はあるのか、そもそも問い合わせがないのか。前者なら物件の中身、後者なら募集情報に原因があります。
ふたつ目は、見送りの理由を聞けているか。仲介会社の担当者が持っている情報です。
みっつ目は、周辺の競合と何が違うか。家賃だけでなく、設備と初期費用の総額で比べてください。
この3点が分かれば、次に何をすべきかは自ずと絞られます。
当社は名古屋市を中心に、賃貸管理と賃貸住宅のリフォーム施工を行っています。
募集の窓口としてだけでなく、物件そのものをどう改善するかまで含めてご提案できる体制です。
現在の募集図面と募集条件、それに仲介会社から聞いている見送りの理由をお持ちいただければ、改善点を一緒に整理します。
その場で工事の範囲と概算費用、改修後の想定家賃までお出しできます。
管理を委託していただく前提ではありません。
他社様との比較材料としてお使いいただいて構いませんし、自主管理を続けられる場合の判断材料としてもお使いいただけます。
なお、本記事は一般的な考え方を説明するものであり、個別物件の空室期間の短縮や家賃水準を保証するものではありません。
改修の効果は、立地・築年数・周辺の競合状況によって異なります。













