2026/07/29
建物管理
名古屋でリフォーム工事から入居者管理まで、ワンストップで対応できる管理会社を選ぶべき理由

名古屋でリフォーム工事から入居者管理まで、ワンストップで対応できる管理会社を選ぶべき理由
この記事の要点
Q: リフォーム工事中の空室期間は、家賃にしていくらの損失になりますか?
A: 当社が名古屋市内で扱ってきた案件をもとにモデルケースを組むと、業者分離型で工事に90日かかった場合、家賃6万円の物件で18万円(90日÷30日×6万円)の家賃機会損失が生じます。工程管理を一本化して60日に収められた場合は12万円。工事期間の差だけで6万円が動く計算です。
Q: リフォーム完了後、入居者が決まるまでどのくらいかかりますか?
A: 工事完了の連絡から仲介店の掲載までにタイムラグがあるケースでは45日前後(9万円)かかることがあります。工事中に募集準備を並行させた当社のモデルケースでは20日(4万円)。ここで5万円の差が生まれます。
Q: 合計するとどれくらい違いますか?
A: 空室ロスだけで11万円、初回の客付け費用まで含めると初年度で最大17万円の差になります。さらに入居期間の長さによって再募集の回数が変わるため、5年間では約66万〜78万円まで開くという試算になります。いずれも家賃6万円・1戸あたりの前提です。
Q: なぜ施工と管理を分けると差が出るのですか?
A: 工事の進捗情報が募集側に届くまでに数日〜2週間の遅れが生じ、その分だけ募集開始が後ろにずれるためです。加えて、施工の仕上がりに起因する不具合が入居後に出た場合、責任の所在が曖昧になり対応が遅れやすく、当社が引き継いだ物件では入居期間の短さとして表れる傾向がありました。
目次
業者分離型で何が起きているのか
中古物件を取得して賃貸に出すとき、多くのオーナー様はリフォーム業者と管理会社を別々に選定されます。それ自体が誤りというわけではありません。相見積もりで工事費を抑えられる、管理会社を工事の実績とは切り離して評価できるなど、合理的な理由があります。
ただし、この進め方には構造上ひとつの弱点があります。工事の進捗情報が、募集を担当する側に自動的には届かないという点です。当社が名古屋市内でオーナー様から管理の引き継ぎを受ける際、この情報の断絶が空室日数として表れているケースを繰り返し見てきました。
1. 物件を取得 → 2. リフォーム業者に見積もり依頼 → 3. 工事開始 → 4. 工事中は募集の準備が止まる → 5. 工事完了後に管理会社を選定 → 6. 管理会社が仲介店に客付けを依頼 → 7. 仲介店が物件情報を整理・掲載 → 8. ようやく募集開始
当社のモデルケースでは、工事開始から入居までの総日数は135日(工事90日+客付け45日)を見込みます。
ここで重要なのは、4番から7番までの工程が「誰も悪くないのに時間だけが過ぎる」区間だということです。工事業者は工事を、仲介店は客付けを、それぞれ真面目に進めています。ただ、その間をつなぐ情報が人手を介して伝わるため、待ち時間が積み上がります。
空室ロスを日数から金額に置き換える
空室日数は、そのままでは判断材料になりません。家賃に換算して初めて、工程を短縮する価値が見えてきます。ここでは家賃6万円・1戸を前提に、空室日数を日割り(日数÷30日×6万円)で金額化します。
| フェーズ | 業者分離型(当社試算) | ワンストップ型(当社モデルケース) | 日数差 | 金額差 |
|---|---|---|---|---|
| リフォーム工事期間 | 90日=18万円 | 60日=12万円 | 30日短縮 | −6万円 |
| 工事完了~入居者決定 | 45日=9万円 | 20日=4万円 | 25日短縮 | −5万円 |
| 総空室期間 | 135日=27万円 | 80日=16万円 | 55日短縮 | −11万円 |
情報の遅れが空室日数に変わる仕組み
「工程が遅れる」と言うと工事の遅延を思い浮かべますが、実務でロスが大きいのは工事そのものより工事の前後にある「待ち時間」です。当社が管理の相談を受けた案件をもとに、時系列を再構成します。
オーナー様がリフォームをA社に、管理をB社に、客付けをC社に依頼したケースです。
- Day 1~30:リフォーム工事を実施(当初の完了予定は40日目)
- Day 31:オーナー様がB社に管理を依頼。B社はA社の進捗を把握していない
- Day 40:壁内の腐食が判明し、追加対応で工期が10日延びる
- Day 50:工事完了。B社が完了を知ったのも同日
- Day 55:B社がC社に入居者募集を依頼
- Day 55~75:C社が図面・写真・条件を整理し、ポータルサイトに掲載
- Day 76~110:初回問い合わせから内覧、入居決定まで35日
工事完了(Day 50)から入居決定(Day 110)まで60日。家賃6万円なら12万円の機会損失です。
注目していただきたいのは、Day 50からDay 75までの25日間、物件は完成しているのに募集が始まっていないという点です。工事中に写真撮影と原稿作成を済ませ、完了日に配信できる体制であれば、この25日はほぼゼロにできます。当社のモデルケースで工事完了後20日としているのは、この前倒しを前提にしているためです。
工事完了から入居決定までの内訳
工事完了から入居決定までの日数は、ひとつの大きな作業ではなく、細かい工程の積み上げです。どこに待ち時間が生まれるかを分解すると、短縮できる箇所とできない箇所がはっきりします。
| プロセス | 業者分離型(当社試算) | 工事と募集を並行させた場合 |
|---|---|---|
| 工事完了通知 | 3~7日後(報告経路が人手のため) | 0日(完了日に募集開始) |
| 仲介店への情報提供 | 5~10日後(管理会社を経由) | 0日(提携仲介店へ同時配信) |
| ポータルサイト掲載 | 5~15日後(写真・原稿の作成待ち) | 0日(工事中に素材を準備済み) |
| 初回問い合わせまで | 15~25日 | 5~10日 |
| 内覧~入居決定 | 10~20日 | 10~15日 |
| 合計 | 38~77日 | 15~25日 |
上位3工程の合計13~32日は、作業の中身ではなく「順番」を変えるだけで消える待ち時間です。一方、内覧から入居決定までの10~20日は入居希望者側の都合であり、どの体制でも大きくは縮みません。本記事の試算では、業者分離型に45日、並行進行に20日という中央付近の値を採用しています。
施工品質は入居期間に表れる
A: 入居率そのものより、入居期間に表れます。退去の回数が増えれば、そのたびに原状回復費・空室ロス・客付け費用が発生するためです。
当社が施工から管理まで一貫して手がけた物件と、他社施工の物件を引き継いだ物件とを比べると、退去理由の傾向に違いがありました。前者は「転勤」「結婚」といった入居者側の事情が中心である一方、後者では「建具の不具合」「クロスの浮き」など仕上がりに関する不満が退去理由に挙がることがありました。
| 比較の観点 | 他社施工物件を引き継いだ場合 | 当社が施工から管理まで担当した場合 | 本記事のモデルケース | 退去理由に挙がりやすいもの |
|---|---|---|---|---|
| 入居期間の傾向 | 短くなりやすい | 長くなりやすい | 15ヶ月 | 建具の不具合、クロスの浮き、対応の遅さ |
| 不具合発生時の対応 | 施工業者と管理会社の切り分けに時間を要する | 施工履歴を保有しているため一次対応が早い | 30ヶ月 | 転勤、結婚、進学など入居者側の事情 |
| 5年間の再募集回数 | 3回 | 1回 | 2回の差 | 差が生じる主因は退去の頻度 |
工事と募集を並行させる進め方
ここまでの内容を、実際の工程に落とし込むとどうなるか。当社が名古屋市内で標準的に採っている進め方を、日数を添えて示します。
- Day 1~3:現地調査と物件診断。修繕の必要箇所を洗い出すと同時に、周辺の募集状況から想定入居者層を仮置きする
- Day 3~5:工事計画と募集戦略を同時に立案。「どの層に向けた仕上がりにするか」を先に決めることで、過剰な工事と不足の両方を避ける
- Day 5~60:工事を実施。並行して募集用の原稿を作成し、提携仲介店へ新規物件として事前情報を共有する
- Day 58:完了2日前に仲介店へ完了予定日を通知。内覧の受付枠を先に確保する
- Day 60:工事完了。当日中に撮影し、ポータルサイト掲載と仲介店への本配信を行う
- Day 60~70:問い合わせ・内覧の対応。条件交渉
- Day 70~80:入居審査、契約手続き
- Day 80:入居開始。以降は同じ担当が管理を継続し、施工履歴を踏まえて不具合に対応する
合計80日。業者分離型の135日と比べて55日の短縮になります。ただし、これは工事内容が想定内で進んだ場合の数字です。躯体や配管に想定外の劣化が見つかれば工期は延びます。
初年度の総費用:モデルケースでの比較
ここまでの日数を、初年度の費用として集計します。工事費はどちらも150万円で同額としています。工事の中身が同じなら費用も同等と考えるべきで、「ワンストップだから工事費が安い」という前提は置いていません。差が出るのは時間と客付け費用の部分だけです。
| 費用項目 | 業者分離型(当社試算) | ワンストップ型(当社モデルケース) | 差 |
|---|---|---|---|
| リフォーム工事費 | 150万円 | 150万円(同額) | 0円 |
| 工事中の空室損失 | 90日÷30×6万円=18万円 | 60日÷30×6万円=12万円 | −6万円 |
| 工事完了~入居の空室損失 | 45日÷30×6万円=9万円 | 20日÷30×6万円=4万円 | −5万円 |
| 客付け費用(仲介手数料・広告料) | 家賃1ヶ月分=6万円 | 0~6万円(自社客付けが成立すれば0円) | 0~−6万円 |
| 初年度の合計 | 183万円 | 166万~172万円 | −11万~−17万円 |
客付け費用について補足します。当社の提携ネットワーク内で入居者が決まった場合は客付け費用がかからないケースがありますが、他社の仲介店経由で決まった場合は仲介手数料や広告料(AD)が発生します。エリアや時期、家賃帯によって自社客付けの成立率は変わるため、上の表では0~6万円の幅で示しています。「必ず0円になる」ものではありません。
5年間で見たときの差
初年度の差は11万~17万円ですが、これは初回の工事と客付けだけを見た数字です。実際には入居者が退去するたびに、原状回復・空室・客付けの費用が繰り返し発生します。したがって入居期間の長さが、年数を重ねるほど効いてきます。
本記事では、入居期間を業者分離型15ヶ月・ワンストップ型30ヶ月としてモデル化します。5年=60ヶ月なので、前者は15・30・45ヶ月目に再募集が発生して3回、後者は30ヶ月目の1回です。
| 項目 | 業者分離型(入居15ヶ月モデル) | ワンストップ型(入居30ヶ月モデル) |
|---|---|---|
| 初年度費用 | 183万円 | 166万~172万円 |
| 5年間の再募集回数 | 3回(15・30・45ヶ月目) | 1回(30ヶ月目) |
| 1回あたりの費用(原状回復+空室+客付け) | 10万+9万+6万=25万円 | 10万+4万+(0~6万)=14万~20万円 |
| 再募集費用の累計 | 25万円×3回=75万円 | 14万~20万円×1回=14万~20万円 |
| 5年間の合計 | 258万円 | 180万~192万円 |
この試算は家賃6万円・1戸あたりのものです。また、原状回復費10万円は室内クリーニングと軽微な補修を想定した金額で、設備交換を伴う場合はさらに増えます。実際の物件で判断される際は、ご自身の家賃・工事規模に置き換えて計算されることをおすすめします。
施工を自社で持つことの意味
ここまでは日数と金額の話でしたが、なぜワンストップだと日数が縮むのか、その理由を構造面から整理します。
- 情報が社内で完結する:工事の進捗を募集担当がリアルタイムで把握できるため、完了通知や情報提供にかかっていた8~17日が不要になります。これが空室日数の短縮の主因です
- 不具合の切り分けが不要:入居後にクロスの浮きや建具の不調が出た場合、施工履歴が社内にあるため「工事起因か経年劣化か」の判断が早く、一次対応までの時間が短くなります
- 客付け費用を抑えられるケースがある:自社の入居者ネットワークで決まれば仲介手数料や広告料が発生しません。ただし他社仲介経由となる場合は通常どおり発生します
- 工事の要否を長期目線で判断できる:管理を継続して受けるため、短期の工事売上より長期の入居率が自社の利益になります。結果として「今やらなくてよい工事」を先送りする提案がしやすくなります
一方で、ワンストップ型にも弱点はあります。工事費の相見積もりが取りにくく、価格の妥当性を外部と比較しづらい点です。工事費が同額という前提が崩れれば、ここまでの試算は成り立ちません。見積もりの内訳を項目ごとに開示できるかは、会社を選ぶ際に必ず確認してください。
入居期間を左右する「対応の速さ」
入居を決める段階では、内装の新しさや設備が判断材料になります。しかし、住み続けるかどうかを決めるのは別の要素です。当社が入居者からいただく声を整理すると、次のような分かれ方をします。
- 入居直後:内装がきれいで満足度が高い。ここは施工の質がそのまま評価される
- 入居1ヶ月後に水漏れ発生 → 連絡先が分からず、原因の切り分けにも時間がかかる → 「この物件は大丈夫だろうか」という不安が残る
- 同じ状況で、連絡した翌日に業者が来て修理完了 → 「何かあっても対応してもらえる」という安心感につながる
同じ間取り・同じ家賃でも、不具合が起きたときの対応速度によって、入居者が住み続ける期間は変わります。当社が施工から管理まで一貫して担当している物件では、退去理由に「転勤」「結婚」といった入居者側の事情が占める割合が高くなっています。
逆に言えば、施工と管理が分かれていても、両者の連絡体制が整っていれば同じ結果は得られます。重要なのは会社の形態そのものではなく、情報が滞りなく流れるかどうかです。
まとめ:判断材料としての数字
数字で見た場合、どこに差が出るのか
工事中の空室ロス、工事完了から入居決定までの時間差、退去頻度による再募集コスト。この3つが、施工と管理を分けるか一本化するかで差の出る項目です。
家賃6万円・1戸のモデルケースで整理すると、工事90日で18万円、客付け45日で9万円、合わせて27万円の空室ロス。これを60日+20日に短縮できれば16万円となり、差は11万円。客付け費用まで含めた初年度の差が11万~17万円、5年間では約66万~78万円という計算になります。
ただし、これらはすべて当社が名古屋市内で扱った案件をもとにしたモデルケースであり、業界の平均値ではありません。工事内容、物件の状態、募集時期によって前提は変わります。この記事の数字をそのまま当てはめるのではなく、計算の考え方をご自身の物件に置き換えていただくのが正しい使い方です。
当社は名古屋市内で、リフォーム工事の施工から入居者管理までを社内で担当しています。ただ、ワンストップであること自体が価値なのではなく、工事の進捗が募集側にどれだけ早く伝わるかが空室日数を決めます。会社を選ばれる際は、その一点を確認していただければと思います。
お持ちの物件で「工事から入居までにどれくらいかかりそうか」を具体的に知りたい場合は、間取り・築年数・想定家賃をお知らせいただければ、工程と空室日数の試算をお出しします。他社さんとの比較材料としてお使いいただいて構いません。なお、空室率や賃貸市場全体の動向については、国土交通省や総務省統計局などの公的データも参考にしながら判断することをおすすめします。本記事の数値はあくまで当社の実務経験にもとづくモデルケースであり、市場全体を代表するものではありません。













